コラム#3 ひとりで出来るように手伝う
こんにちは!0歳からのモンテッソーリ教育「はじめの親子教室」代表の山下です。
私たちモンテッソーリ教育の実践者が、こどもと接する時に意識している有名なフレーズがあります。それは・・・
「ひとりでするのを手伝ってね」
Please help me do it myself.
こどもは生まれながらにして学ぼうとする力を持っており、「出来るようになりたい」という意欲にあふれた存在であると、私たちは考えています。
こどもたちは 自分の力で出来るようになりたいのです。
だけど最初から何でも一人で出来るわけではありません。
大人のサポートを必要とする場面は無数にあります。
けれども、自ら出来るようになりたいと思っているわけですから、出来ないことを肩代わりしてほしいわけではありません。”出来るようになるために必要なサポート”を求めているのです。
このことを端的に、なおかつこども自身の言葉として表現したのが、冒頭のフレーズです。
ですが、ひとりで出来るように手伝う、というのは簡単なことではありません。
例えば、お子さんがひとりで靴下を履こうとしている姿を想像してみて下さい。
最初から最後までは出来なくても、ひとりで出来る工程がありませんか?
靴下を履こうとしてから履き終えるまでの、どの工程が難しそうですか?
もしひとりで出来ている工程があるのであれば、そこではサポートせず、時間がかかっても本人がやろうとするのを見守りましょう。そして、難しそうな工程があれば、その部分だけをさっとサポートしてあげて下さい。
実は、靴下を履くとき、一番最初の「足先に靴下を被せる」ところが最も難しく、そこでイヤになって靴下を履くこと自体を投げ出してしまうというケースがとても多いです。
でも、よーく観察してみると、最初の足先に被せるところさえ上手くいってしまえば、その後ゴム口を持って靴下をひっぱり上げるところはすんなり出来たりします。そういう時は、足先に被せるところだけをそっと手伝ってあげて、その先はひとりでやってもらえば良いのです。
こどもは出来る部分をひとりで出来たことで、達成感からニコニコになります。
それが次への意欲となって、そのうち足先に被せるところにもチャレンジしたくなってくるものです。
こんな風に、こどもが出来ない(または、やり方が分からない)ところだけを手伝うことで、ひとりで出来るようになっていく過程に寄り添うのがモンテッソーリ流です。靴下を履くことに限らず、ことばや算数などの学びの全般において重視している関わり方です。
乳幼児期は「できた」と達成感を感じられるチャンスに溢れているので、ひとりで出来るように手伝うことで、こどもたちは学びながらその子らしく成長していってくれます。